軍港のあることで有名な舞鶴市。
その舞鶴市は大きく分けて以前からの舞鶴市である西舞鶴と東舞鶴市だった東舞鶴に2分されます。
今回はその西舞鶴にあった朝代遊郭。
舞鶴にはかつて東舞鶴の竜宮、中舞鶴の加津良、そしてここ西舞鶴の朝代の3箇所の遊郭があったそうなのですが、全国遊廓案内にはここ朝代遊郭は記載されていません。
ぶっちゃけ辺鄙な場所にある加津良遊郭が記載されているにもかかわらず、駅からすぐの朝代遊郭が載ってないのはなにか理由があるんでしょうか・・
朝代遊郭は舞鶴が軍港として建設され始めた明治時代に誕生した遊郭地。
軍人さんだけでなく、軍港建設の為全国から集まった土木従事者をターゲットにしていたようで竜宮遊郭と並んで大変お安く遊べた遊郭なんだそうです。
明治時代には妓楼38軒、娼妓・芸妓合わせて200人という規模だったそうです。
場所は西舞鶴駅から西へ約300m、愛宕山の麓にあり現在も朝代という地名がそのまま残されてます。
かつての「霞月楼」があった場所には現在「霞月旅館」が。
なんとなく当時の趣があるようにも感じます。
霞月旅館横の路地には3階建の妓楼の姿。
この建物は先輩方のブログを拝見していてとても印象的だったんで見れてよかった。
霞月旅館のある通りには飾り窓の残されている建物も。
こちらは当時の姿を色濃く残してます。
売物件となってますが如何でしょう?
是非そのまま使っていただきたいです。
さきほどの通りよりも1本山側の通りに入ると朝代神社の鳥居が現れます。
鳥居の前にはこんな素敵な建物が。
この山側の通りが目抜き通りだったと思われます。
当時の雰囲気を遺す建物もけっこうありますね。
その中でもこちら。
最近まで料理屋として使われてたんですが、現在は住宅のようですね。
斜に構えた玄関は全国共通なんですかね。
屋号の跡も伺えます。
目抜き通りの北端まで来ました。
タバコ屋さんと思われる建物には案の定、凝ったタイルが。
そして少し外れにこんな物件が!
2階の飾り窓といい、これは博物館級です。
空き家っぽいですが、この建物も取り壊される運命なんでしょうかね・・・
川沿いにも色々あったんでしょうな。
今度は遊郭の南側へ。
綺麗なベンガラの格子。
この窓・・・どうなんでしょうか。
川を挟んだ先にもどことなく香ばしい感じが。
すごい壁・・・
カフェー建築っぽいですが、あんまり詮索するのは野暮ってもんでしょう。
朝代遊郭はそれこそ全国遊廓案内にこそ載っていないものの、かなりの遺構が残されているように思います。
勝手な推測ですが、加津良や竜宮は海軍がなくなった戦後は衰退していったようですが、ここ朝代遊郭は駅からも近く交通の便もよくて戦後も赤線地帯として売春防止法施行まで賑やかに営業していたのではないかと思います。
訪問日2017.09.10