大人の青春18切符の旅も今日で3日目。
別府の記事をまとめて書いてしまったんですが、別府市の行合町に行く前、早朝に立ち寄った遊里がひとつあります。
その名も菡萏遊郭、かんたんには読めないんですが「かんたん」と読みます。
現在の住所なら大分市の生石港町、JR日豊本線西大分駅からほど近く、国道10号線に「かんたん」交差点がありますので結構かんたんに着きます。
菡萏遊郭は廃港になった船着場に造られたと全国女性街ガイドに記載されています。かんたん交差点近くの立派な家屋と松の湯。
そのまま生石港の町内へ歩を進めると港のすぐ手前に異空間のような菡萏遊郭の建物群がみえてきます。
右手前、会社の看板のある建物。
この手前の駐車場となっている空き地にもタイル貼りの遺構があったみたいですが、今は取り壊されて側面がむき出しに。
軒先のタイルがまた洒落てます。
現在は転居して空家になっているようですね。
取り壊しの日も近いのかな・・・
そしてその隣の物件。
今回大分まで来たのはこの建物を見に来たと言っては・・・過言です。
しかし素晴らしいタイルの色使い。
ほんと大分はタイルパラダイスですな。
そのお向かい。
腰下の市松模様タイルとシンメトリーな玄関の意匠。
現在はアパートとなっている建物、玄関はやっぱりタイル貼り。
よく見ると中にも飾り窓があったりしますな。
路地の奥には生目神社の鳥居、風情あります。
港のすぐ手前にもシンメトリーな意匠の玄関。
床はお決まりのタイル貼り。
近くの駐車場に残されていた塀にもタイル跡。
それらしい建物があるのはこの一角だけ。
港沿いには今はお洒落な店が並んでいます。
これは・・・諸説あるようですが、万葉集の和歌のなかで詠まれた四極山と伝えられている山だそうです。
朝焼けのかんたん港。
空き地だらけになっていても往時の雰囲気が凝縮された空間で、この地を去るのが名残惜しくなるくらいでした。
【訪廓日2019.09.05】
ヒサカセイコ
「菡萏遊郭 建物 玄関そのお向かい。
腰下の市松模様タイルとシンメトリーな玄関の意匠」
この建物ももうすぐ取り壊されるそうです。
私は5歳の時から、この地のすぐそばに住んでいました。
昔はこんな建物がたくさんあり、私がものごころついたころには、
こういった建物はたいてい貸間として再利用されていました。
当時の同級生も済んでいました(その建物はもう今はありません)。
「負の遺産」といってしまえば、それまでですが、こういった建物は
「文化財」ではないでしょうか?
壊してしまうのは簡単ですが、壊してしまえばもう二度と再生できません。
このあたりもずいぶん、以前の遊郭の建物はなくなってしまいました。
せめて今ある建物だけでも残す道はないのでしょうか?
なくなってしまったら、もう二度と元にはもどれないのに…..。と、寂しく思って
います。