貝塚という地名は関西以外の方にはあんまり馴染みのある地名ではないんじゃないでしょうか。
貝塚市はだんじりで有名な岸和田市の南隣に所在し、かつては紡績工業が盛んであの東洋の魔女を生んだユニチカの工場があった街です。
(もちろん僕は東京オリンピックの時代には生まれておりません)
毎度おなじみ全国遊廓案内には貸座敷43軒、娼妓270人、陰店を張って居て娼妓は送り込み制であり、居稼ぎは絶対にやらないとの記載。
同書には岸和田、佐野には遊郭が無いので、此の客は自然に貝塚に寄って来る勘定であるとまで書かれています。
まぁ、そうでしょうね。
全国遊廓案内によると南海貝塚駅で下車、西南へ約1丁とのこと。
要約すると駅前遊郭ってこと。
駅の西側へ出るとすぐに貝塚中央商店街。
商店街は至って健全で遊郭の名残はほとんどありません、スナックすらもない。
商店街を少し進んで左へ入ると遊郭のあった区域です。
早速こんな香ばしい建物が。
さて、こちらが目抜き通り。
商店街とは直接繋がってないってのがまたエロいんですわな。
こちら派手さはないんですが、かなりモダンな建物。
玄関のポール、2階のタイルにセンスを感じます。
カフェー建築が結構残されてます。
玄関廻りのタイルの色使いが激烈にお洒落。
目抜き通りの中ほどまで来ると割烹深川があります。
訪問したのは土曜日だったんですが営業してなかったです。
こちらは角に玄関が2つある建物。
中はどうなってるんでしょうかねぇ。
まだなにかないかと旧26号を渡ってみると、こんなのをぶら下げた日本家屋も。
どうなんでしょ。
詮索しだすとキリがないんで駅のほうへ戻ります。
泉州堂の先へ進むと雰囲気が一変、古民家を再生したお店が並んでます。
ちょうどお腹が減ってたんで蕎麦を補給。
こちら側は水間鉄道の線路があります。
貝塚遊郭の見所は何と言ってもカフェー建築でしょう。
こんなに保存状態のいいものは他所ではまずお目にかかれません。
程よくケバくないというんでしょうか、品格すら感じる物件が数多く残されています。
貝塚駅から出ている水間鉄道の各駅にも歴史深い建物が多く一日使って散策するにはもってこいの街じゃないでしょうか。
訪問日2017.03.18