別府駅を降り、竹瓦温泉界隈から楠町界隈を経て次に向かったのが浜脇遊郭。
別府の市街地からは南へ約1キロ、朝見川を渡った辺りに今も浜脇という地名が残っています。
戦後刊行の全国女性街ガイドには48軒、274名と記載。
戦前刊行の全国遊廓案内にも記載はあるんですが、これが浜脇遊郭を指しているのか楠町、行合町を合わせての別府全体を指しているのかはわかりません。
朝見川に架かる新町橋を渡ればすぐ、浜脇遊郭のシンボル的存在「旧貸席かしく」。
それにしても「朝を見る川」に架かる「新しい町の橋」とは、なんて素敵ナイスなネーミングなんでしょう。
玄関脇の丸窓、2階の手摺、飾り窓、どれをとっても素晴らしい物件なんですが、いかんせん傷みが激しい。
そしてそのお隣のタイルモンスター「旧貸席ますや」。
こちらも経年の劣化は著しいようで、かしく共々近く取り壊されてしまう運命にあるんじゃないでしょうかね。
こちらのテカテカタイルも当時からのものでしょうかね。
「かしく」「ますや」の裏手一帯も当時からの遺構と思われる建物が連なっています。
とても惹き寄せられる路地。
この辺り、もう生活感もなさそうです。
廓の周辺には立派な屋敷が多かったりするんですね。
そして別府温泉発祥の地といわれる浜脇温泉。
このアーチは当時の浜脇温泉の玄関だったそうです。
ここまで来れば東別府駅もすぐ近く、なかなか趣のある駅舎ですな。
この日はこのままホテルのある大分駅まで電車で向かいました。
それにしてもさすが日本一の温泉街と云われた別府の街、筆者が区切りをつけれなかっただけとはいえ3回にもわたって記事を書いたのにまだ書ききれないとは。
次回はその残った北部旅館街、かつての行合町遊郭の写真でも載せたいと思います。
訪問日2019.09.04