また長らく更新を怠ってしまったが、まだこの道からはぬけられてはいないのでご安心を。
僻地暮らし故思い立つままの旅ができなくなった身の上だが、飛行機での移動に慣れ親しんだので旅行先をネタ切れ気味の関西圏に拘ることがなくなったのは当ブログ的には好都合なのかもしれない。
というわけで小松空港経由で金沢、能登方面へ赴くこととなった。
今回の目的地は西茶屋周辺にあった石坂遊郭という遊里跡である。
全国遊廓案内曰く、東廓と西廓が二大遊廓として栄えていた模様。
金沢では芸妓も娼妓と同様の事をしているという記述もあるので、観光向けの表立った建前とは裏腹にかつてはどちらもそういった生業をしていたのだろう。
レトロな眼鏡屋前の駐車場にレンタカーを置いた。
ここがかつて「猫窓」と呼ばれた物件が建っていた場所らしい。
さっそく吸い寄せられるようにすぐの傍の路地に入った。
ここも見たかった物件だが改修されているようだ。
この風合いを是非とも遺してもらえればと思う。
周囲にはスナックの看板が多くみられるがほぼ廃業しているように思う。
スタンドバー忍も改修なのか解体なのか、ともかく工事の最中であった。
かつての妓楼をゲストハウスとして再生しているものであり、こうして現代に蘇った姿を見て往時の芸妓達も喜んでいるに違いないだろう。
それとも思い出したくもない過去なのであろうか。
それはともかく修復にあたった関係者様の努力のおかげ、素晴らしい保存状態である。
こちらの住宅にはかつての屋号が掲げられている。
噂に聞くところ、売春防止法施行以後もこの石坂町は在り続けたらしい。
最後、市街地の尾山神社周辺になかなか味のある小路があったのでその写真を掲載しておこうと思う。
金沢は裏日本の京都などと呼ばれもするが、全国遊廓案内、全国女性街ガイドにもあまり良いことは書かれていない。
主計町に至っては「金沢百万石という偉大な力が芸妓とも娼妓ともつかない一種変態的な物を生んだ・・・」という記載まである。
もちろん筆者がそんなことを思っているわけではないことご理解いただきたい所存である。
訪廓日:2022年6月11日
TM
自宅と改修中の別宅が写っていて驚きました。猫窓物件は解体されましたが、窓やタイルを回収して再利用しています。次回おいでになるなら、内部をご覧にいれます。春風は壁が崩落して解体されそうですね。